2021年05月14日

第4回西日本ネオアコ紀行『動くな、死ね、甦れ!』〜あの頃の僕らと言えば 伝説のバンドThe Korova Milk Bar 幻の音源発掘&完全リマスター

第4回 西日本ネオアコ紀行


『動くな、死ね、甦れ!』〜あの頃の僕らと言えば 伝説のバンドThe Korova Milk Bar 幻の音源発掘&完全リマスター


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90年代中頃、カムデンにあったVinyl Japanに足繁く通っていた。ジョニー・ディーのアナログ編集盤Love Compilationのリリースを心待ちにしていたのだ。毎号日本からロッキンオンを取り寄せては、特集記事には目もくれず、ひたすら広告のページを繰った。インターネット黎明期、英国留学中の僕にとって彼らの情報を得る手段はそれだけだった。Vinyl Japanの宣伝文句は確かこの様だったと記憶している。大幅にブラス・ストリングスを導入、ボーナストラックを追加!それだけで胸がいっぱいになった。逸る気持ちを抑えて駅までの道を歩く。道すがら観光から戻って来るクラスメイトをつかまえて要らなくなったワンデイトラベルカードを譲り受ける。これで市内まで乗り放題だ。「頼むで、しかし!今日こそ売ってへんだら ほんま知らんし〜」そんなことを考えながら店舗へと向かい、玉砕しては帰路につく日々がしばらく続く。すっかり顔なじみになった店員。水色のカラービニール。苦労して手に入れたあの日の喜びは無上のものだった。



今にして振り返ると人生のハイライトともいうべき充実した音楽生活を謳歌していたのだと思う。だけど当時の僕には出遅れた感しかなかった。マンチェスタームーブメントが終息し、やがて訪れるブリットポップ黄金期との狭間。リアルタイムで聴くべき音楽が見当たらない僕はザ・スミス やアズテック・カメラ 、ペイル・ファウンテンズといった大御所と並行して日本から持参したフリッパーズ・ギターの1st、デボネアのLost Pictures、それから地元の友人が送ってくれたジョニー・ディーのカセットテープをとっかえひっかえ聴いていた。当時のシーンから鑑みるとその日本の3組の方がよほど英国バンドっぽかった。眩いばかりのネオ・アコースティックサウンド。うつむき加減に呟くようなボーカル。僕のネオアコ原風景はまさにそこにあった。


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1. コロバ結成の経緯

発起人はやっぱり堤田さんですか?初めから一貫して洋楽志向?ひょっとしてルースターズにも影響を受けていますか?


> 結成については、よくあるパターンで、最初はパペッツ(The Puppetsというゴスバンドからスタートし、音楽的志向の変化に伴い、最終的にコロバになりました。グループ名は『時計仕掛けのオレンジ』から私がネーミングしました。メンバーは皆、洋楽志向。同世代のリスナーと同じくザ・スミスやフェルト、スタイル・カウンシルエコー&ザ・バニーメン、キュアの新譜を楽しみにしていたし、一方でベルベッツなどの60s70sパンクのレコードも普通に買っていました。ルースターズについては、当時の九州北部の80sニュー・ウェイブが好きな人はほとんど影響受けていますね。個人的にも、ルースターズの初期ビート期は言うまでもなく、中期の"DIS""PHY"は日本のロックベスト10に入る絶対的なものです。ただコロバの音にはあまり反映されていませんアズテック・カメラやザ・スミスは基本で、既にクリエイションを始め、ヘップバーンズとかジェレマイアーズの12インチ等当時ディープなネオアコに夢中になっていましたから。コロバについては、当時その言葉さえもなかった所謂ネオアコを強く意識していましたね。


2.  メンバー紹介と曲作りのプロセス

だいたいみんな同じだと思うんですが当時はどのような音楽を好んで聴いていたのか教えてください。

あとは曲作りについて。堤田さんが歌詞と歌メロを書くとして1曲完成するまでのプロセスですね。各自の役割、あと差し障りなければウィズフレンズ(PV:"19 Century Man"参照)についても知りたいです。みんな大学の仲間ですか?


>メンバーは皆、学生で音楽が好きな仲間でした。初期メンバーは5人でしたが、後に鶴田君、福田君、内藤君と私の4人になりました。鶴田君と福田君が曲を持ち寄り、私がヴォーカルメロディーをつけて形にしていくという感じです。私と鶴田君はオブスキュアなUKネオアコのレコードをよく買っていました。福田君は範囲が幅広く60s70sパンクの海賊版まで漁っていました。私と鶴田君はファッションもそうですが、とりわけニュー・ウェイブ色が強かったですね。エレポ、ノイエドイッチェ、ゴス、インダストリアルに至るまで。勿論、60sはベルベッツやラブ、ローリング・ストーンズ、スモール・フェイセズも好きだったし70sUK&NYパンクからハードコアまで聴いていました。御多分に漏れず、スタイル・カウンシルの影響によるモッズの時代もありました。また、音だけではなくレコード好きでした。初回カラー盤、帯付き、7インチとか。今でこそ普通ですが、周りにはあまりいなかったですね。カンのカバーについては、元コロバのドラマーと友人二人が参加し一度きりのセッションをしました。



3.  楽曲解説



今回アップした6タイトルそれぞれにコメントをお願いします。ジョニー・ディーしか知らないファンの人がいきなり"19 Century Man"を聴いたら当惑するだろうし…(笑)

カバー曲に関しては選曲のポイントですね。今回アップされた曲以外にもどんな曲をカバーしていたのか興味があります。"Bachelor Kisses"もそうですが、そこら辺のカバーのセンスでバンドの善し悪しって決まると思うんです。デボネア、フリッパーズ然り、よいバンドのカバー曲はともすればオリジナルを越えていきますからね。


>カバーについては好きな曲を選曲してましたが、この頃の80s NWグループは60sとか70sパンクをカバーするのがある種トレンドでしたね。当時、福田君がエコー&ザ・バニーメン"On Strike"というカバーを中心にしたブート盤ライブを入手したのですが、ベルベッツにドアーズ、ストーンズ、モダン・ラバーズ、テレビジョンのカバーがすごく良かった。このエコー&ザ・バニーメンのブート盤は一昨年英国音楽の小出さんとの会話でも話題になりました。コロバのBachelor Kissesカバーについてもちょっとテレビジョンぽいところがありますが、ゴービトウィーンズ自体もテレビジョンに影響受けてますよね。カンの19c Manは、コロバのルナティックな側面のカバーアプローチ。他にもエコー&ザ・バニーメン"Killing Moon"やモノクロームセットの"Eine Symphonie"、ザ・スミスの"This Charming Man""William"をやったりしてました。


昨年発表された"Window Shopping"のカバーについてもお願いします。


>Friday Clubのカバーについては、友人からのリクエストです。原曲はネオアコマニアにはよく知られているブルーアイドソウルナンバー。2TONEなのにスカレゲエじゃないので、逆にダブレゲエのカバーで回答するという体をとりました。グループ名は、Thank God It's FridayTGIF)。今年7インチをリリース予定で、昨年カフェアプレミディのラジオ使ってもらいました。音自体は、鶴田君、元ジョニー・ディーのベースの田尻君、トランペットの岩下君でベーストラックを作り、更にインスタント・シトロンの長瀬君にリードギターをお願いしました。リミックス&プロデュースについても元インスタント・シトロンの松尾君です。その松尾君にマッドプロフェッサーっぽいスティールパンをリクエストしたところ、福岡の服部さん、奥山さんを紹介してもらい、ARIWA的ダブミックスバージョンを作ってもらいました。シトロンとはジョニー・ディー時代に一緒にライブしたり、交流があったのですごく懐かしかったです同世代でルーツも同じだし、彼らの音楽センスはすごいですね。この度の片岡さんについては非常に残念に思います。


1.Rain girls and Gentle girls


>まず、今回リリースするアナログ10インチ盤についてはex-フェイバリットマリンの神田さんにミックスを、マスタリングはマイクロスターの佐藤さんにお願いしました。このお二人の素晴らしいサウンドプロダクションによって、80’s当時の瑞々しくもちょっとメランコリックでいなたい空気感が見事に甦りました。この曲は当時リリースしたカセットテープの1曲目。ザ・スミスを意識したUKギターサウンドにしました。ボーカルは初期マイブラっぽくオフ気味。歌詞含め当時の感覚で音として埋もれた感じにしてます。1988年録音、マンチェ国内導入前。まだマラカス振る人もいなかったし、オリーブ少年少女もいませんでした。今聴くとイナたいですね、でもピュアな感じはします



2.Over the Manchester

>1987年位でしょうか、ザ・スミス ミーツ ジーザス&メリー・チェインといった趣き。とにかくリバーブが深い。ジョニー・ディーには無い陰鬱さがありますが、これは純粋にUKニューウェイブ至上主義的なものによるところが大きいです。渋谷系やサバービア以前の人達がみんなそうであったように。ですので、ある意味純粋で 80s UKギターサウンド特有の ある種ノスタルジックなメロディーが聴けるかと思います。



3.Ryouzoux

> 曲自体はコロバ結成以前、1986年位の最も古い曲。全体感はモーリス・ディーバンク期のフェルトを意識しました。メロディーの一部は、シュルレアリストの友人が作ったフレーズ、或いはサイキックTV"White nights"に影響されたもの。絵描きを目指していたその友人のフランス名がタイトルになっています。鶴田君のフェルトの"Mexican Bandits"的なミニマルなアルペジオや坊野君という友人のルースターズ花田風の流麗なギターソロが気に入っています。この頃は国内で他にネオアコ的なグループは知り得ませんでしたね。しかし勿論、東京、関西には既に存在していて後になってヴィーナス・ペーターの古閑君を通してそれらの音源に出会うことになるのですが。その当時もしリアルタイムで東京のシーンや英国音楽に出会っていたら、また違う世界があったかもしれないですね。何しろ携帯もネットもなく情報源はロッキンオン、フールズメイト、ロックマガジンにニューズウェイブくらいでしたから。だから何のシーンもない場所で極めて趣味的に活動していました。


4.Pale Blue Sunday

>1987年〜1988年。この曲はカセットシングルとして作成したのですが、リリースに至ったかどうか最早 記憶にないです。確かジェレマイアーズに触発されたのかと。当時はまだ学生だったので、ギターはキラキラ弾けつつもメランコリックな蒼さに溢れています。もちろんネオアコを日本語でやってるグループは皆無で、歌詞はルースターズのようなシンプルな日本語に少しの英語を加えるという体にしていますね。ちょっとジーザス&メリーチェイン風な雰囲気もあります。ハーモニカはプリファブ・スプラウトを意識。あの頃 好きだったそれらの王道的UKサウンドの影響をすべて反映させたナンバーと言えます。


5.Ride Into the Sun / The Velvet Underground

>UKギターサウンドが好きな人は誰もがベルベッツを好きでした。理由の一端としては、エコー&ザ・バニーメンジーザス&メリーチェイン、あとオレンジ・ジュースやアズテック・カメラ、ストロベリースイッチブレイド等のスコットランド組も挙ってベルベッツラブを公言していたからだと思われます。この曲は、福田君が初期コロバメンバーの12弦ギターを借りてカバーしたもので、選曲については、ルーリードのソロバージョンでもVUのインストバージョンでもなく、ブート盤7インチで出回っていたバージョンがベースになっています。勿論ルナのカバーなんかはまだ存在してないですね。


6.Nineteen Century Man / CAN

>1987年頃だったか、スタジオセッションの一発録り。ほとんどインプロビゼーション練習もしていません。このカンの原曲は、レコード帯の“君は生まれていたか”が印象的な"Delay 1968"の日本盤が出会いです。カンはドイツのグループですが、このバージョンは 寧ろベルベッツやヴォイドイズ、ノー・ニューヨーク等のNYパンクライクな感覚を感じとってもらえるかと思います。その他、このセッションではフェルトの"My face is on fire"(昨年ジョニー・ディーのライブでプレイ)とロイド・コールの"Perfect skin"をやりましたが、何分音合わせ的な側面が強いので このカンの1曲のみをチョイスしました。





The Korova Milk Bar Channel Link


PVに映っているロンドンは?


>当時ロンドンに住んでいた福田君に会った時の写真です。観光はあまりなくレコ屋ツアーに終始。Music & Video Exchangeでザ・スミスのブラジル盤フレキシ他、ニュー・ウェイブやネオアコ7インチ中心に買い漁りました。2TONEなんかも超安価で7インチを一気にコンプリート。大量に買ったので郵便局から日本に送るのが大変だったのを覚えています。とにかくレコード一色ですね…。そう言えば、この時パリの凱旋門でテリー・ホールに偶然出くわして少しだけ会話しました。確かテリー・ブレア&アヌーシュカとして始動する時期だったかと思います。




ジョニーディーの盟友、下田さんとの新たなプロジェクトも企画中とか?

他にも堤田ファンが期待できるような今後のご予定があれば教えてください。


>下田君とは昨今の事情もあり、まだ進んでいないです。曲のデモは完成しているのでボーカルパートを考えて今年中には曲に落とし込む予定です。王道的UKギターサウンド構想は変わらずで、ゆくゆくはアルバムを作ってみたいですね。また新ユニットとしては、とあるUKボイスの女性アーティストとのシングル盤のリリースを検討中です。こちらも超UKサウンドになるかと。なんとか今年中にリリースしたいところです。


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コピーの中で革命が起き、革命によって音楽は進化する


上記インタビューでもふれたが、僕は無類のカバー好きだ。昔から好きなアーティストが他人(ひと)の曲をカバーするのには胸が躍った。スネアの音ひとつまで完コピされた曲も好きだし、原形を留めないほどにスクラップ&ビルドされた作品も気になる。同じエフェクターを揃えたり、ファッションを真似たりと、とことん同化を試みる。この人にはこの曲を!と勝手な妄想を抱くこともしばしばである。


昔読んだ音楽誌でジョニー・マーがこう言っていた。ルー・リードになりたいんだったら聴くべきは彼が作った曲じゃない、彼を夢中にさせた曲だ。なんとも含蓄のある言葉だが、今回 コロバの動画を編集するにあたり堤田氏の音楽遍歴をトレースしてみて、このマーの言葉に説得力が増した。アップした動画はいずれもジョニー・ディー以前の楽曲だ。あの日僕が夢中になって追いかけた彼らの音楽のルーツを知る上でもとても貴重な体験ができたと思っている。日本ネオアコ界の寵児、堤田 浩士。やはり彼の音楽のアーカイブは計りしれないものだった。そうすべてはセンスの問題なのだ。


Chelsea Girls 広瀬 陽一


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2020年12月04日

西日本ネオアコ紀行Vol.3 「ようこそグラスゴウ食堂へ」

西日本ネオアコ紀行Vol.3

ようこそグラスゴウ食堂へ


地下鉄堺筋本町の3番出口を抜けてL字に行くとほどなくグラスゴウ食堂の看板が見えてくる。

その名の通りフロアにはキラキラとしたネオアコが流れ、壁にはオレンジジュースやベルアンドセバスチャンといったゆかりのレコードがずらり。縦長に広い店の奥、黒板塗料が塗られた壁一面にはチョークでメニューが手書きされている。適度にカジュアルでシック、何気にレトロな空間はまるで友達の家に遊びに来たような感覚。ゆったりと腰を下ろしメニューを眺める至福のひととき。ここでは運ばれてくるお皿の一枚一枚にドラマがあり、感動がある。

浪速のトラットリア、グラスゴウ食堂。完全分業体制でお店を切り盛りする野々村君と三輪君のふたりに、お店の誕生秘話からお勧めのメニューまでを語ってもらった。本稿がすべてのグラスゴウファンにとってのガイドブック的存在となれば嬉しい。


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 野々村(ホール担当)・三輪(キッチン担当)


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やさしく灯るグラスゴウ食堂の看板


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お馴染みの名盤がお出迎え


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カウンター席の向こう側が調理場

         


ノノくんオススメメニューベスト3


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塩メープルのミックスナッツ

\450(税抜)


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カルボナーラ

\1050(税抜)


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ワイン各種

グラス

\600(税抜)



ミワくんオススメメニューベスト3


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いちじくと生ハム クリームチーズ乗せ

\500(税抜)


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シラスと半熟卵のアヒージョ

\600(税抜)


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宮崎県産ポークグリル

\1350(税抜)



グラスゴウ売れ筋メニューベスト3


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蛸とアボカドの和風マリネ

\700(税抜)


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牛すじラグーとマッシュポテトのオーブン焼き

\600(税抜)


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カニクリームコロッケ

\750(税抜)



そもそもふたりはどうやって知り合ったの?


N:ミワ君の彼女(後の奥様)と僕はもともと友達で、ミワ君が京都から名古屋に引っ越してきた時に。共通の友達はたくさんいたしお互いの存在は知ってたんだけど実際に会ったのはその時が初めて。


その時はふたりとも飲食をしていたの?グラスゴウをたちあげるまでの流れが知りたいんだけど。


N:僕は、名古屋の高校出てヤマギワソフトでバイト、飲食で務めるも潰れて日雇い、名古屋で派遣の仕事、そのあと大阪出てきて大阪でまた派遣…


けっこう長いね。グラスゴウ、いつ始まるん(笑)


N:ミワ君にはいつやんの?いつやんの?って言ってたんだけど…


ミワくんは?


M:僕は高校の時からツタヤでバイトしてて、そのあと京都、名古屋、大阪の飲食店を渡り歩くって感じです。


N:ふたりで「お店やろうぜ」ってなったのは27,8の頃。それからオープンするまでに10年間ほどかかってるんですよ。


デビュー遅っそー(笑)


N:先に僕は大阪行って派遣の仕事をしながら彼が来るのを待つんだけど、なかなか来なくて。で、ようやく仕事をやめて大阪に来たと思ったら…。

  

まだ始まらないの?


N:一緒にお店を出すとなるともう一度飲食の店で働いてくれ!って。


さんざん待たせといて(笑)


M:いや、飲食はそんな甘いもんじゃないんで。


確かに。

で、ミワ君が大阪来てからオープンするまではちょくちょく会ってたの?


M:はい、共通の友達もたくさんいたし。イベント行ったらそこで顔合わせるし。


N:参考になる店とかにはよく一緒に行ってました。


M:でもその段階ではまだ具体的にどういう店にするとか どういったメニュー構成でやるのかとかまったく定まってなくて。互いに思いはあったんだけどまだまだ夢の段階で。


N:で、もう年も年だし。僕がしびれを切らしてミワ君にやるの、やらないの、どっち!って詰め寄ったんです。そしたらやるって。仕事もやめるし物件も探すって言ってくれて。それがだいたい2015年とか?


なかなかの最近やん(笑)


N:お店を出したのが2016年なので、その間の1年間くらいは仕事をしながら物件を探したり。当時働いてたお店も従業員が少ないからやめてくれるなって。

  

ノノ君としたら一刻も早く自分の店を出したいとこだよね


N:はい、何のために大阪に出てきたのかを考えたらやっぱり自分の店を出すためなんで。

  

お店のコンセプトっていつ決まったの?


N:僕はDJブースがあってイベントとかができるお洒落な空間にしたかったんだけどミワ君はちがってて。お店をやるならちゃんとご飯もお酒も出せるような。で、最終的にふたりの意見が合わさってこうなりました。音楽好きが集まって食事を楽しみながらわいわい音楽の話とかできるお店。


最高だね。グラスゴウ食堂の名前の由来は?


N:お店を出すときにクラブワンダーに集まってみんなでああでもない、こうでもないと。From Across the Kitchen Tableがいいんじゃないかとか。ネオアコとかギターポップの曲名から色々リストアップしていったんだけどなかなかしっくりくるのがなくて…

実は、名古屋にいた時にブログでレコードの紹介とか自作の料理をアップしてたんですけどその時やってたブログのタイトルが上高畑グラスゴウ食堂。グラスゴウ食堂いいやん!ってなって最後は勢いで。

  

グラスゴーじゃなくて、グラスゴウ。


N:ウの方がーよりも、昭和チックというかレトロな感じがあるなと。


グラスゴーだと検索かけてもガチにスコットランドの店が出てきそう(笑)


N:そう、それはほんと副産物。グラスゴウにしたおかげで検索のトップにグラスゴウ食堂が出てくるんです。


そこまで計算してやったわけじゃなく。


M:マグレです(笑)


N:結果的にはよかったねって感じで。


名前は大事だからね。

お店のおススメメニュー(上記参照)についてだけど、ノノ君がワイン推してるね。


N:はい、常連のお客さんですごくワインに詳しい人がいて。好みを聞いて週に1,2回入れ替えてます。勉強するうちにだんだん面白くなってきて。


ふたりで来たら絶対にボトルで頼んだほうがオトク。

白か赤かを伝えて、あとはノノ君に任せておけばまちがいない(笑)

ワインを飲むお客さんってけっこういるの?


N:お客さんにワインの説明をしてたらそれを聞いてた別のテーブルの方にも興味を持ってもらって。おかげさまで最近はワインを嗜まれるお客さんが増えてきました。


それから特筆すべきはミワ君ご推奨の宮崎県産ポークグリル!

こないだ初めて食べてあまりの美味しさに言葉を失った(笑)


M:ありがとうございます。


N:グリルはもともとミワ君がやりたかった料理。

でも焼くたびに店内がスモークでいっぱいになって。


M:わざわざそれ用の扇風機を買いました。


N:備え付けの換気扇じゃ全然追いつかないんで、これで外まで煙をとばす!


すぐにブルーベリーに連絡して、中村さんにグラスゴウからすごいのが出ましたって(笑)


M:ほんとうれしいです。


じゃ続いて音楽の話を。ふたりが好きなミュージシャンについて聞かせて。


M:ティーンエイジ・ファンクラブ。


そこはふたりとも共通してるんだ。一番好きなアルバムは?


M:僕はグランプリです。


グランプリいいよね。アルバム出た時のツアーをフォーラムで観たけどめちゃめちゃカッコよかった


M:クリエーションが一番勢いあった頃ですしね。


N:当時はまだ聴いてなかったんで、その辺の話にはついていけない。ウィーザーもそうだけど2005年のサマソニで初めてライブ観てそっからファンになったんでだいぶ遅咲き。


ノノ君のTFCのベストは?


N:僕はソングス・フローム・ノーザンブリテン。たぶん思い出補正とかあると思うんですけど、初めて聴いたのがそれなんで。


それもいいアルバムだよ。こたつでみかん食べながらしみじみ聴きたい。


M:他にはポール・ウェラーが好きです。


ポール・ウェラーはどの時代の?


M:いちばんよく聴いたのはスタイル・カウンシルのアワ・フェイバリット・ショップかな。ソロになってからはヘヴィー・ソウルをよく聴いてました。


ミワ君はもともと洋楽志向だったの?


M:いえ、中学の時に渋谷系全盛で。小沢くんとかピチカート、その流れで洋楽を聴くようになりました。今でもフリッパーズ・ギターは大好きですね。ジャンル的には何でも聴きます。ソウルとかも聴くし。


ノノ君は?


N:ウィーザーにエッグストーン。


ウィーザーで一番好きなアルバムは?


N:いっぱいアルバム出してるんですけどやっぱり1stが一番好きかな。怒られそうだけど。


バディーホリーのやつだよね。

僕エッグストンはライブ観たよ。


N:えっ観たんですか?


ちょうどロンドンにいた時。誰かの対バンだったと思うんだけど、小さなライブハウスが閑散としてて…日本との温度差を感じたのを覚えてる。


N:日本の盛り上がりとは全然ちがうんですね。


日本のミュージシャンでは?


N:日本だとアドバンテージ・ルーシー。一目ぼれでした。CD屋さんでバイトしてた時にたまたまルーシーのPVが流れて。グッバイって曲なんですけど、えっ!何この曲って。衝撃でした。その日に自分の店でCD買って帰りました。そしたら他の曲もすごく良くて。


会ったことは?


N:実は、あるんです。イベントに来てくれて。


すごい、ノノ君がよんだの?


N:いや偶然。働いてたCD屋さんが入ってた栄のナディアパークの中にアトリウムってイベントスペースがあってそこのインストアライブみたいなイベント。楽屋行ってサインもらってめちゃめちゃファンアピールしてきました!


いい話だね。


N:その後もルーシーのインターネットラジオをチェックしてそれ経由でエッグストンとかアイヴィー(ファウンテンズ・オブ・ウェイン)、あとスミスも聴くようになりました。



そしたら次は音楽以外の趣味の話とか聞かせて。


N:実は…


M:趣味とかほんとないんです。


お店が休みの日は?


M:子供と遊ぶくらいしか…まだ小さいんで。


ミワ君の学生時代はどんなだったの?


M:ほんと平々凡々ですよ。中学はバレー部で、高校は帰宅部。その頃からしだいにサブカルに傾倒していく感じです。


映画とか。


M:映画音楽とかですね。


「黄金の七人」とか「セソマット」とか?


M:そうそう(笑)、フリッパーズや!って。


ノノ君は?今はお子さんが生まれたばかりだけど…


N: 子供が生まれる前は休みの日に奥さんとよくお出かけしてました。ドライブもだけど自転車で行けるとことか。市内でも舞洲(まいしま)とか景色のいいとこがあるんですよ。海沿いの町に行ってそこら辺ぶらぶらして適当なお店でご飯食べて。いい景色やなぁって。


いいね。


じゃ最後にこれまでのグラスゴウの歴史を振り返って。色々イベントとかあったと思うけどふたりが印象に残ってるのを教えて。


M:飲食始めてからずっとやりたかったことなんだけど…ニック・ヘイワードのアルバムのイングリッシュ・ブレックファストの再現。グラスゴウで初めて80sイベントをした時のフライヤーがこれ。

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おー、完コピだ!すごいね。本人見たら喜びそう。


M:本人にも見せましたよ。前にビルボードにライブ観に行った時に。サインもらって、その時に写メ見せたらすごく喜んでくれました。


でも80sのイベントだよね。このアルバムが出たのって…


M:そう、DJのハルハルさんからも全然80sちゃうやん!ってつっこまれました。


N:言われてたね。


ノノ君の記憶に残るイベントは?


N:イベントって、思い返してみるといいことしかなかったんですけど…でもなにかあげるとしたらやっぱりデボネアとアリエッツのライブかな。初めて自分で企画から出演交渉までしたイベントでもあるし。


今にして思えばすごい組み合わせだね(笑)


N:デボネアの対バンを探すにあたって全体の雰囲気は壊さずになおかつ年代の違う人たちがいいなと思って。もともとNanaちゃんのやってたTwinkle Twinklesが好きだったので彼女にオファーしたら、ちょうど新しいバンドを結成したらしく。そしたらギターがカンフーガールのMilkちゃん!


僕、カンフーもめちゃめちゃ好きなんです!一番オレトクなイベントになりました(笑)

  

それにしても、ものすごい入りだったよね。


N:グラスゴウ史上最高の集客でした。それに最大の音量。これは絶対に近所から苦情がくるなと思って電話線抜いてました。ライブ中に鳴っても困りますし。


ノノ君もなかなか大胆だね。

アリエッツって当日まで全然知らなくてライブが始まってもショージさんとか西村君(café sunny side love!)と外で飲んでて。店の中パンパンだったし。そしたら彼女たちの演奏が中から聴こえてきて。

外のおじさん連みんな大絶賛!レインコーツやーとか。演奏もそうだけど彼女たちのほんわかした感じが最高だった。


N:気に入ってもらえてうれしいです。ほんといいイベントでした。やってよかったです。




グラスゴウ食堂の歴史


20163月  

オープン(DIYで店作り)


友人知人に助けてもらいプレオープンでインスタ拡散、初年度は友人知人そのまた知り合いの人たちが多数来訪してくれる。近所の人たちも噂を聞きつけ徐々に常連に。


20179

新井仁、溝渕ケンイチロウLIVE


20179

80年代イベント開始(以後毎年)


201712

ブラッドクイン(ベオウルフアンブレラ)LIVE


20198

デボネア、アリエッツLIVE


201910

バケーション3、ケントフナヤマ、アコースティックスLIVE


僕がグラスゴウへ行く理由


予約して行く時はいつもカウンター2席を用意してもらっている。そこから眺める景色が好きなのだ。カウンターの向こうは厨房でそこにはミワくんの姿が見える。普段の爽やかな笑顔とは一転、ストイックな面持ちで料理と格闘している。動きに一切の無駄がない。

複数仕掛けられたキッチンタイマー、特大サイズのワインビネガー、色鮮やかなサラダの盛り合わせ。

そうした光景のひとつひとつに目を奪われ愛おしさを感じてしまう。

さながらお気に入りのポストカードや7インチのジャケットといったところか。


一見のお客さんに対しても絶妙なタイミングで声をかけたり、さりげなく気を使ったりとノノ君は

とにかくやさしい。「僕の青春は学校出てから始まるんです。本格的に音楽を聴きだしてたくさんレコードやCDを買って。いろんなイベントに顔を出したりいろんなお店に行っていろんな人と知り合って。そこで見たり聞いたり感じたり口にしたものすべてが今のグラスゴウの礎になってると思います。」


僕がグラスゴウ食堂に惹かれる理由はそういったところにあるのかもしれない。


Chelsea Girls 広瀬 陽一




posted by blue-very at 18:00| 西日本ネオアコ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月28日

西日本ネオアコ紀行 vol.2 子猫をお願い


The Harriets (アリエッツ)インタビュー

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西日本インディーギターシーンにひょっこり現れたガールズバンドThe Harriets。そのゆるふわ系キャラと玄人受けするアレンジセンスで、 オーディエンスのハートをがっちりキャッチ。行く先々でアリエッツ旋風を巻き起こします。


気がつけばシーンの真ん中にまぎれこんでた三匹の子猫ちゃん、彼女たちのこれまで そしてこれからについてガールズトークさながらに話してもらいました。
やっぱりアリエッツは最高!


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左から


ドラム&ボーカル担当nana  獅子座のO型 好きなタイプは音楽の趣味が合うメガネ男子


ギター&ボーカル担当milk 乙女座のA型 好きなタイプは面白くて可愛い人


ベース&コーラス担当fumi  水瓶座のA型 好きなタイプは一緒にいて楽しい人


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じゃ、まずは結成のいきさつから。3人はもともと友達だったの?


N:わたしとフミちゃんは10年位前から友達で。


F:それぞれ別のバンドをやってて対バンで知り合ったんです。


M:わたしはKUNG-FU GIRLでライブした時に。

   その神戸のイベントにナナさんも来てて。

   同じ大阪だし同じようなバンドが好きってことで連絡先を聞いて仲良くなりました。


N:それが3年くらい前かな。



アリエッツはどのタイミングで結成されたの?


N:ミルクちゃんはKUNG-FU GIRL のメンバーって知ってたし

  わたしもTwinkle Twinkleでバンドやってたんだけど他で何かできないかなと。

  年も近いし音楽の趣味も同じなんで一緒にバンドやりたいなぁと。

  

  よかったら一緒にやらへん?って。わたしがナンパしました(笑)


じゃナナさんが発起人なんだ。


N:ミルクちゃんがギター&ボーカルで、わたしドラムやりたいなぁと。

  で、あとのメンバーどうしよう?ってなった時にTwinkleで一緒にやってたフミちゃん!

  めっちゃ音楽の趣味合うやんってことで。


それで3人でスタジオに入ると。


N:はじめてスタジオに入ったのは2年ほど前ですね。


当時はまだ持ち歌ないし、カバーだよね?


MCourtneysVivian Girlsのカバー。



そしたらバンド名の由来を教えて。


F:わたしたちがよく行ってるDJのイベントがあって。


N:めっちゃインディーに詳しい原田さんって人がいるんですけど

   その人のおすすめで。


M:あっこれです!


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N:ある人がTwitterHarrietsってフランス語読みなんですねーってつっこんでくれて。

   あっそうなんや!って(笑)



デビュー公演はノノ君とこ(グラスゴウ食堂)でやったのが初めて?


M:野々村さんのイベントに出るから急いでバンド名決めなあかん!ってなって(笑)


あのイベントでデボネアと共演したんだよね。


F:デボネアの演奏、すごくキラキラしてた。


N:あの日のライブ良かったよね。


M:わたしたち知らなかったんですけどKUNG-FUのメンバーに話したら

   デボネアってヤバない?めっちゃすごいやん!って言われました。


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そしたら次はひとりずつ、影響を受けたアーティストについて聞かせて。


M:いちばんは、Tiger TrapGO SAILORですね。


子供の頃はどんなの聞いてたの?


M:小学生の頃にスピッツ聴いて、中学でギター始めるきっかけになりました。


アコギはじまりなんだ。


M:はい、アコギです。弾き語りの本買ってひとりで練習してました。

  コード弾きだったし、そんなに苦労した記憶はないですね。



フミさんは?


F:わたしは音楽聞き始めたきっかけはCardigans。高校生の時の友達にベルセバとかVaselinesを教えて

  もらって。


M:美しいね(笑)


日本だと?


F:やっぱりスピッツとか。


スピッツ人気あるなぁ。

楽器は最初からベースだったの?


F:はい。大学の時にさっきのベルセバの友達にバンドやるからって誘われて。


ナナさんは?


N:わたしも小学生の時はスピッツですね。


スピッツほんとすごいね!


M3人でこないだライブ行きました。オタクはわたしですけど。


N:みんなミルクちゃんの影響でオタクになりつつあります(笑)

     わたしは洋楽聴くのけっこう遅くて、90年代はくるりとかナンバーガール。


楽器始めたのはギターがいちばん最初?


N:中学までピアノやってました。でも向いてなくて。

     家の近所にバンドやってるお姉ちゃんがいて、高校の時に一緒にエレキギター買いに行きました。


何買ったの?


N:フェルナンデスの初心者用の安いやつ。オレンジ色の。


M:それ、わたしも(笑)


N:軽音部でギター弾いてました。ガールズバンド組んで文化祭に向けて練習みたいな。

     放課後、みんなで楽器屋さんにスコア探しに行って弾ける曲を探すって感じで。

     スーパーカーとか、あと時代があれなんですけどプリプリのMとかカバーしました(笑)


昭和感が


N:はい、今でもプリプリとかいいと思いますよ。ガールズバンドの先駆けですよね。

     高校出たあとに組んだのも4人組のガールズバンド。ネットでメンバー見つけて。パンクな感じのです。

     その時のメンバーが洋楽よく聴いてて、彼女たちの影響が大きいかな。


     その後、22の時にイギリスに留学して もうそこからは洋楽しか聴かなくなりましたね。


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じゃあTwinkle Twinkleは、イギリスから帰ってきてからのバンド?


N:はい。

   その頃フミちゃんは、ICE CREAM SHOUTってバンドをやってて

   普通 対バンとかで仲良くならないんだけど、めっちゃ仲良しになって。


ほんと仲良さそうだよね。3人とも。


N:はい、めっちゃ仲いいです!


M:なんか ヤバいくらいに遊んでる時あったよね。

    週何回会ってるの?みたいな(笑)


3人とも似たようなタイプなの?


F:ふたりは音楽の好みがピッタリ合ってて、わたしはちょっとだけ違うかもしれない。


N:そうかな?


M3人ともすごいサバサバしてる。


N:みんなテンポが似てて。

   名古屋とか東京にツアー行った時も、誰も時間とか確認せーへんから(笑)

   乗り遅れそうになったり。


F:確認してなーい!


M:チェックアウトも毎回だいぶ遅れる(笑)


M:別のバンドでは仕切ってくれる人がいるから いつもわたしはついて行くだけで

   でもこのバンドは全員がそうで(笑)


N:今はみんなで頑張ろうって感じです(笑)


M:ちょっとずつ分かってきたよね。

    計画的にいかなあかんって。


なんかみんな子供の頃からの友達みたい。


M:そうですね。


F:古くから知ってるような。

  ミルクちゃんとはまだそんなに知り合って2,3年?


M:ほんと信じられへんくらいに遊んでたから。


N:週3くらいで会ってたかな。


ほんと小学生だね。


M:そう。バイバイ、また2日後!みたいな(笑)


N:音楽イベントとかも音楽の趣味一緒だから。


M:行く?って訊いたら、みんな行くーって。


N:誘ってくれるのみんなハズレないし、バンドの練習もあるしで ほんとしょっちゅう会っていました。


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じゃあ、次は音楽以外の趣味について聞かせて。


M:映画観るとか、


特に好きなのは?


M:わたしミーハーなんですよ。『アメリ』と『レディ・バード』と『バッファロー’66』と

    『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』と『素晴らしき哉、人生!』


だいたい休みの日は映画観てることが多いの?


M:そうですね。あとお菓子作ったり。


パティシエ?


M:はい、パティシエです(笑)


N:ミルクちゃん、めっちゃ料理うまいんです。

    技術がすごい、レベルが違う。


M:いやいやいや。本格的じゃないけど好きなんで。作ってみんなに持って行ったりします。


女子力高い!


M:お菓子作りに関してはお菓子作っていると無になれますよね。

    まぜてたら気持ちがリセットされる気がします。



フミさんは?


F:わたしは映画と洋裁。


やっぱり映画みんな好きなんだね。


F:被るんですけど 私も『アメリ』が好き。

  あとは『勝手にしやがれ』と『パディントン』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

    パディントンとガーディアンズはどっちも2がお勧めです。



洋裁は昔から得意だったの?


F:全然得意とかじゃないですけどなんか物作ったり、手作業が好きなのでたまに。


今日の衣装も自作なんだよね


M:すごーい!パチパチ



はい、 次ナナさん。


N:わたしはマンガがすごく好きで。

   マンガ読んでる時がいちばん幸せです!


お気に入りのマンガは?


N:いちばん好きなのは岡崎京子。全部持ってます。

   何回も、もうセリフ覚えるくらいめっちゃ読んでます。


岡崎作品では何がいちばん好きなの?


N:いちばんは『東京ガールズブラボー』初期のやつです。

   後期の暗い感じのより前期のポップでスカスカした感じの作品が好きなんです。

   岡崎京子の影響で80年代の音楽とかテクノポップとか聴くようになりました。

   あとは『PINK』って作品も好き。


映画は?


N:映画も観るんですけどドラマが好きでアメリカとかイギリスのドラマけっこう観ています。

   今観てるのは『glee / グリー』 ベタやけど、グリーめっちゃ面白い。今さらグリー観てる。


F:わたしも今さら『フレンズ』観てる。


N:あっ『フレンズ』めっちゃ面白いよな!


M:『フレンズ』めっちゃ観た。5周くらい(笑)


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曲作りの役割分担について。今は誰が曲書いて、詞書いてとか決まってるの?


F:ふたりがそれぞれ曲も歌詞も書いてきて。


N:スタジオ行って「こんなん作った」って合わせる感じで。


M:歌詞はあとで考えることもあるし、曲といっしょに出てくることもあるし。


N:わたしは鼻歌で携帯とかにストックしておいて、

   それに歌詞のせることが多いです。

   ミルクちゃんは?


M:わたしも基本はコードとメロ作っておいて、ライブが近づいてきたらあわてて歌詞つけるみたいな(笑)


N:全員が歌って全員が曲書くバンドが理想で。最近はフミちゃんも曲書いてくれて。

   めっちゃいい曲!


曲はすぐにできるの?


N:できる時とできない時があります。

   なんか自転車乗ってたらできることがある(笑)


M:そんなん、わたし絶対でけへん!


N:自転車作曲法。最近チャリで通勤してないからやってないけど

   自転車乗ってたら急にメロが浮かんできて乗りながらケータイに録ってる。

   で、あとで聞いてみたらゴーッて音だけで(笑)


M:風(笑)



分業した曲はないの?


N:あったやん!最初の頃のスミス。


スミス?


N:あっThe Smithsっぽい曲があるんです。

   under the moonlightって曲。

     もともとわたしがコードだけ作って持っていって。

   あんなアレンジはわたしには考えられなかったんで、完成度が上がってうれしかった!


M:あれは分業ちゃうよ。わたしが歌ってるってだけで。だいたい曲を作った本人が歌うんですけど

   あの曲は歌いながらのドラムが難しいからわたしが歌ってる。


N:わたしの頭の中でこんな感じにしたいなって思ったのが、バンドでちゃんとした形になる。

   それってバンドの醍醐味ですよね。


曲のアレンジは各パート自己責任って感じなの?


N:そうですね。これだけ音楽の趣味が合うと だいたい何考えてるか分かるし。


それにしてもスミスって曲 興味深いなぁ。


F:ライブでやってますよ。


M:曲自体はスミスちゃうけどアレンジが


N:なんかスミスっぽいていう。



F:作った時にそう思ったよね。


M:一部分かな?アルペジオ弾いてるから。


アルペジオ弾いたらスミス(笑)


M:わからんけど、あの時はスミスって思ったよな。



アリエッツの曲ってベースすごく動くよね。そこはこだわりなの?


F:最初Twinkle Twinkleのサポートメンバーでベース弾いてたんですけど。

   その時のベースがすごく動く感じで。


N:元がね。ギターふわ〜でベースでメロ弾くみたいなバンドだったんで。


F:それを学んで。


N:学んでというか そのなごりが(笑)


F:ナナちゃんが作ったのもあるし、自分で作ったベースラインもけっこう動くようになりました。


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それじゃ、最後に無人島に持っていく1枚を教えて。


M:はい、これです。


おー、Vaselines


M:はい、全曲いいです!


もちろんリアルタイムじゃないよね。

どういった経緯でこれにたどり着いたの?


4つ上のお兄ちゃんがいて この辺の音楽がすごく詳しくて。


お兄ちゃんがいるんだ。それは強みだね。


M:お兄ちゃんが音源をデータでたくさんくれて、それで洋楽を聴くようになりました。

   このアルバムはチープで可愛くて、無人島でも元気出るかなと思って。


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フミさんは?


F:ちょっとバンドのイメージと違うんですけど


何?


F: Strokes Is This It ? ってアルバム。


1枚目だよね?Strokesが好きなんだ。


F:そうなんです。大学生の頃からずっと聴いています。


いちばん好きな曲は?


F:えー全部好きなんで


N:次の曲わかるってやつやな!



ナナさんはどう?


N:わたしは、All Girl Summer Fun Band2ってアルバムです。

   アメリカのポートランドってところの女の子4人でやってるバンドですね。

   インディーポップって感じです。メロディーはめっちゃキャッチーで。


いきさつは?


N:昔、ネットでバンド募集したときに知り合った人で、結局バンドはやらなかったんですけど。

     めちゃめちゃ音楽詳しい人でその人から教えてもらったバンドのひとつです。

     Primitivesもたぶんその人から教えてもらって。


All Girl Summer Fun Bandね。また聴いてみます。


F:語順まちがいそう(笑)


M:いっつもどっちやっけ?ってなる(笑)


The Harriets バイオグラフィー


2019.08.03  グラスゴウ食堂   デボネアと共演   


2019.10.06  CLUB METRO       ELECTRIC FUZZ !!


2019.12.07  調布Cross          Suburban Home


2019.12.22  covent garden      I Fell In Love Last Night vol.1


2020.02.01  K,D.JAPON       デボネア , h-shallows と共演


2020.02.02 record shop andy    インストアライブ the caraway , Belinda may と共演


2020.08.09  SOCORE FACTORY  NEIGHBORHOOD vol.34


2020.08.31    eeny, meeny, miny, moe zine 発売


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Mind the Gap !


ファズのかかったギターにジャングリーで粗削りなリズム隊、53rd & 3rd 直系の適度に大雑把な演奏はさながら和製TALULAH GOSHといったところか。疾走感と躍動感とキュートな歌声。

だけどHarriets 最大の魅力は、音楽とメンバーの間の絶妙なギャップにある。

nanamilkfumi 3人のキャラが際立っており、そのバランスも絶妙だ。

決して計算によって導き出されたものではない彼女たちのナチュラルな立ち振る舞いは、周りを温かな空気で包み込む。


今回のインタビューでもしばしば垣間見ることができたが、そばにいて微笑ましく思えるほどに彼女たちは仲がいい。

映画やドラマのワンシーンのようにテンポよく話が弾む。

しばしば脱線してはまた元に戻り、複数のストーリーが錯綜しながらどんどん進んでいく。

そしていつの間にかきれいにまとまって、後には陽だまりのようなやさしさが残る。


寝っころがってぼんやりと雲を眺めたり、時には仲間のために無心で戦ったり。

もしも女の子に生まれ変わったら

その時はHarrietsのようなバンドを組みたいと思う。


                          インタビュー原稿Chelsea Girls 広瀬陽一

                                            撮影    稲葉智香子

posted by blue-very at 18:00| 西日本ネオアコ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月11日

西日本ネオアコ紀行 Vol.1『ガープの世界』

大阪のインディーロックバンド、ガープ。女性ボーカリスト松本めぐみの存在がひときわ目をひく90年代初頭に活動していたグループだ。

自身の英国留学期間と重なったこともあり、僕はこのバンドの存在を最近になるまで知らなかった。完全な後追いである。


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今のん 、ガープのめぐみちゃんやで。

えっ 広瀬君、ガープ知らんの!?


大阪上六のマイルハイクラブにて偶然 居合わせた小柄でキュートな女性。


ガープ、カッコいいで〜。

店主の中井(デボネアのボーカリスト)が言うのなら間違いないだろう。

うわっ、めっちゃ聴きたい。

JR宝塚線の最終、早速スマホを取り出して検索をかける。

ガープ バンド 大阪


だめだ、ヒットしない…



後日 友人(bluevery中村)よりバンドのスキャン画像が届く。

1993年、ポルスプエストから出たオムニバスBirth of the true Uからの1枚だ。

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白黒のアーティスト写真。

メロディーを持たないむき出しの歌詞に目を通す。



Mystery Golden Town



圧倒的な勢いで目前へと押し寄せてきたのは、超現実主義的なイメージとデカダンス。

カミュやコクトー、ランボウに代表される仏文学からの色濃い影響を感じずにはいられない。



夏休み、学校の図書室で手にした一冊の文庫本。

思いがけず雷に打たれたひとりの少女は、その衝撃をアクションペインティングさながらの勢いで原稿用紙に書きなぐる。

荒々しくて大雑把、直線的で輪郭のはっきりとした松本の書く詞は、どこまでもピュアでプリミティブだ。

例えるならジャクソン・ポロックの5番。

まさに初期衝動の産物である。


僕のガープに対する興味は、加速度的に増していく。

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歌詞から想起した頭の中のビジョン。それは後に届いたガープの音源にピタリとあてはまる。

退廃的でサイケデリック、無国籍でありながらも根底にそこはかとないジャポニズムを感じずにはいられない。

曲ごとにめまぐるしく変わる音の質感。

ディックの空想科学小説、都はるみ、サボテンブラザーズ、次々とシフトしていく記号。

そこに意味を求めてはいけないのだろう。



前述のオムニバスの他、彼らは1994年大阪のギューンカセットレーベルより4曲入りセルフタイトル Garp をリリースしている。


特筆すべきは、音楽誌 「米国音楽」の付録CDに提供した楽曲 A Piece Of Star 。

この曲は埋もれたままにしておくにはあまりに惜しいキュアー系疾走ナンバー。

ぜひとも押し入れを発掘してでも見つけだして聴いていただきたい

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2019年12月19日、実に四半世紀ぶりにガープの新作が発表される。


新曲2曲と過去のリマスター音源1曲で構成されたこのChapter1は、彼らの古巣であるギューンカセットよりCDとしてリリース。

詳しくは同CD封入のライナーノーツをご覧いただくとして、今作にもガープの耽美でミステリアスな息吹が存分に封じ込まれている。

あの日マーブル柄の羊が見た灰色の空。

新しいガープの世界の扉が今 静かに開かれようとしている。



Chelsea Girls 広瀬 陽一

posted by blue-very at 18:10| 西日本ネオアコ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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