2018年12月05日

帰ってきたヨッパライ 〜愛と幻想のデスモッズ〜 Bankの奏でる音楽とその世界



初めてBankの音楽に触れたのは友達を介して。Archのメンバーが新しく始めたバンドいうことで最初から期待値が高かった。なんと言っても僕らはクルーエル世代。日本の音楽で初めてレーベルを意識して聴いたのがクルーエルだった。クリエイションにサラ、そしてチェリーレッド。当時好んで聴いていた海外のレーベルと比較してもなんら劣ることのなかった純度の高い国産ポップス。

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大げさに聞こえるかもしれないが、当時の僕たちは瀧見憲司 そしてフリッパーズのふたりが提案する音楽こそが真実だと信じていた。信用できる音楽、安心して聴ける音楽。言ってしまえば「ダサくない音楽」がそこにはあった。
 

話をBankに戻そう。

実際のところライブを拝見するのは今回が初めてだった。冒頭からキレキレのサウンドと艶っぽいボーカルに圧倒される。タイプは異なるがブロック・パーティーにも通じるニューウェーブ感。独自のリズムと間の産物だと思うのだが、実際のところは上手く説明がつかない。さらに突き詰めればモダン・ロマンス、ブロウ・モンキーズといった名前も浮かんでくる。日本のバンドだという事前情報がなければ間違いなく洋楽の棚に置いてしまいそうだ。

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キラキラしたディスコサウンド。随所に見え隠れする80sへの憧憬。ワンフレーズで世界を塗り変えてしまうサクソフォーン。安定感と躍動感を同時に生み出すカッティング。更には新鋭若手芸人さながらのしゃべりのセンス。完全にプロ集団だ。


この渾沌として猥雑な感じ。ずっと思い出せないでいたが、ようやく繋がった。

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オリジナル・ラブだ。90年代初頭、大阪のクアトロで見た彼らのステージ。それはライブというよりむしろショウに近いものだった。シンプルな構成ながらゴージャスで、どこか昭和の銀幕スターにも通じる存在感。

学生の頃、京都の美松劇場に4本立てオールナイトを観に行った。『ブルーベルベット』『汚れた血』『植木等の無責任一代男』『バーディー』。一見統一感のまるでないラインナップが、何故だか見事に調和して、未体験のグルーブ感を生み出す。Bankとはまさにそんなバンドなのではないだろうか。


Chelsea Girls 広瀬 陽一



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2018年11月14日

みんな笑った〜snow sheepの魅力とその音楽



真っ直ぐな学級委員長女子と都会から転校してきた長身メガネ男子。目の前に広がるくらもちふさこ的世界。それがはじめて目にするsnow sheepに対する僕の第一印象だった。寒い冬に飲む温かいココアのようなやさしく良質な音楽。

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彼らのステージは昭和の子供たちのお楽しみ会、あるいは94年夏エジンバラで見たパステルズのライブのような、敷居が高いのか低いのかよく分からない、それでいて愛にあふれたものだった。

メガネギター (失礼、近藤さん)の書く曲は耳に心地よくすっと心にしみわたる。何より低音の男ネオアコボーカルが素晴らしい。それは委員長(小林さん)の甘くキラキラした高音と見事に調和し、まるではじめからそこにあったかのようなリアリティーを生み出す。僕がイメージした「天然コケッコー」同様、聴衆のスクリーンにそれぞれ独自の映像を映し出す。

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持ち歌が4曲しかないとのこと、その日のライブではスワン・ダイブのカバーが披露される。委員長、「高校生バンドみたい」 と呟くも、すかさず「今の高校生はもっと上手いから!」とメガネのつっこみ。暗転。


確かに演奏は上手いにこしたことはない。だけどそんなことは実はどうでもよくて、僕が求めているものは感動。心に響くか、その一点においてsnow sheepのパフォーマンスは完璧だった。

次はVaselinesのカバーも聴いてみたい。ベタやけど。

Chelsea Girls 広瀬 陽一


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2018年10月28日

ロンサムカウボーイ Alvysinger 〜泥をかぶれるやつしか信用できない



小野くんのライブを拝見するのは、今回で3度目。彼自身ライブの本数は決して多くないと思うので我ながらまずまずの出席率だ。2011伝説の京都ネオアコサミットにはじまり、2015熊本ぺいあのぷらす、2018東京 ブルーベリー20周年アニバーサリーと重要視すべきイベントには決まって小野くんの姿がある。そして回を追う毎にAlvysingerは格段と進化しつづけている。

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卓越したソングライティングの技量と爽やかなルックスは、さながら小沢健二や堂島孝平、星野源といったところか。しかしながら彼の一番の魅力は、そういった表層的なタレント性の一切をひっくり返したところにある。

泥臭さい反骨心、適度に距離を置いた独自のマナー。そして破壊。
時に熱く、時にシニカルに相反する2つのテーゼが交錯する。

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ギターこそ壊さないが小野君にはクラッシュと同質のスピリットを感じる。たとえそれが瀟洒なシティーポップであったとしてもAlvysingerの源流はパンクだ。定義づけはナンセンスだし意見は多様であっていいと思うが、ネオアコとは元来そういった斜に構えた感性の産物ではないだろうか?小野くんにはこれからも他に迎合することなく新しい道を切り開いてもらいたいと切に願う。

Chelsea Girls 広瀬 陽一

♪ all for our tears ♪
冒頭のモノローグからその後の展開、アレンジに至るまでペイル・ファウンテンテンズの名曲 reach を想起せずにはいられない。ブルーベリー限定でカセット発売された初期の名作にしてAlvysingerの最高傑作。全編に渡ってマイケル・ヘッド節が炸裂する。

♪ love ♪
スタイル・カウンシルの7インチB面に収録されてそうな秀逸曲。或いはカメラ・トークのアウトテイクといった感じ。大胆な日本語詞に挑んだ小野くんの手腕に感服。

alvysinger web site twitter

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2018年10月08日

「名は体を表す」small gardenについて




small gardenが体現する世界は、まさにクリエイター小園 兼一郎氏の理想郷、
小さな庭にジャズ・ボサノヴァをベースとした音を敷きつめ、自身のイメージに即して緻密に構築していく。
腕利きのアルチザン 門下生達の卓越した演奏技術。
そして艶やかな歌声。
ここでは時間が少しだけゆっくりと流れている。

当日のハイライトを挙げるときりがないので特に印象に残った2曲について書きたいと思う。

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フルート・サックスの印象的なメロディで始まる『8番目の月』
ジャズのエッセンスが全面に散りばめられたこの曲は まだ10代の頃に観たニューヨークトリオさながら都会の洗練を感じる。
まさに東京の音楽。
この日、ディスクブルーベリー 20周年を祝福するため集まった音のアルケミスト達。
繊細で煌びやかな旋律が東京の夜にこだまする。

途中 サックスからピアノへと切り替わる際のタイムラグが場にあたたかな一体感を生み出す。
これもあらかじめ図面に引かれた一本なのだとしたら驚きだが、こうした緊張と緩和の絶妙なバランスこそが小園ワールド、small gardenの持つ魅力ではないだろうか。

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Wフルートが秀逸な佳曲『木漏れ陽』
曲の持つ浮遊感をナチュラルなヴォーカルがより一層引き立てている。
もうどこまでも聴いていたい、この心地よさ。

日曜の朝に恋人と遅めの朝食を取る。
オーバカナルのクロックムッシュとカプチーノが理想。
ふいにFMからこの曲が流れてきたらこれほど幸せなことはないだろう。

こんなにも具体的なイメージが展開する曲もめずらしい。
あたたかで緩やかな何かに包みこまれる感じ、
そうファンタスティックな何かに。

僕もすっかり小園ワールド、small gardenのサウンドに魅了されたのだろう。
今後も彼らの活動に注目したいと思う。

Chelsea Girls 広瀬 陽一

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